異文化遭遇

先日、西麻布の牡蠣料理屋さんへ行きました。
いろいろな種類の牡蠣をいただきましたが、中でも驚いたのが「リコッタチーズとイチジクの焼き牡蠣」。わたしは甘い物はあまりいただかないのですが、この味にはびっくり。意外な組み合わせに舌鼓を打ちました。

「破壊と継承」という言葉があります。
非効率な古いものは効率的な新しいものによって駆逐されていくことで文化が発展するという内容。オーストリアの経済学者 シェムベーター (J. A. Schumpeter)が唱える“ 創造的破壊”という新陳代謝のプロセス概念がベースのなったものです。


例えば、今の季節では鍋。

鍋といえば、水炊き、湯豆腐、おでんなどがポピュラーですね。
でも最近ではびっくりするような組み合わせのメニューもあります。
カレー鍋、トマト鍋、コラーゲン鍋など、摩訶不思議な。
冷やしちゃんこ鍋はいかがでしょう(そもそも鍋なのに、何故冷たい?コンロは?お餅は固いのか・・・?と、考えると眠れないほどです。)


食べ物だけではないですね。
いろいろなジャンル、様式において、異文化が遭遇することによってひき起こるイノベーションは、革新的かつ高い創造を生む力を持っています。
想像力を働かせて生まれた挑戦は、あたりまえと思われているものに多様性をもたらせ、豊かな進化を生む、・・・場合もあります。当たり前の枠からあえて飛び出し、発想の転換をしてみる。

応戦は、たとえば
スープパスタ、食べるラー油。
すっかり定着しました。
トレンカ、練りメイク、蜂蜜クレヨン、携帯小説。
よく考えてみたら、紙おむつや、福袋、照り焼きピザ、イクメン・・なども、最初はかなり革新的だったのかもしれないですね。

異文化遭遇は、いろいろな既成概念を改編し進化させますが、崩壊もさせます。
シェムベーターも、これによって「進化してきた現代の社会は、人類にとって、本当に幸せなのか・・・」と言ったように、創造的破壊で生まれ出た文化が、本当に価値ある文化となるかどうかは、別問題ですね。

足指ピアス、逆チョコ、朝ラーメンなどは、定着せず。
文化にそぐわなかったか・・。

育児に纏わるアプローチ方法も今日ではありとあらゆるものがあります。
ちまたにあふれる情報に右往左往することは果たして有益でしょうか。

わたしの愛読書のひとつに『わたしは赤ちゃん』(松田道雄著、岩波書店、1960年)があります。
ふるーい育児関連本ですが、「子育て」に対する知恵がむしろ斬新。
新しいものを前に不安なお母さんには、お勧めの一冊だと思います。

「子どもはその年齢において一個の人間として完成しているのである」
十人十色。
赤ちゃんも赤ちゃんなりに、その年なりの完成した人間なのです。



世に言う「標準」に振り回されずに、自分にとって必要で有益な知識だけを獲得するというのも親の大切な資質ですね。

コーディネーター とみた

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