『子育ては楽しい』Vol.13 「記憶」

GWにスラムドッグ$ミリオネアという映画を観ました。

スラム出身の青年が、人気クイズ番組に出演し、正解し続けるというお話なのですが、彼が次々と見事に正解することができたのは、出題された問題の答えが、偶然にも彼の波瀾万丈な子ども時代の経験の記憶に織り込まれているものだったからでした。

私は想像します・・・
幼い時に親を亡くし、兄弟二人でたくましく生き抜いた彼らの生活は、毎日が必死で、真剣で、リアルだったでしょう。
良くも悪くも、まさに、『自分で見て、考えて、行動する』そのものだったに違いありません。
だからこそ、そんな中での経験は、とても印象深く記憶に残ったのかもしれないな・・・なんて。

子どもの頃の記憶というのは、断片的ではありますが、意外と鮮明です。
大人になってからのことは結構忘れてしまうのに、子どもの頃の記憶は忘れないものですよね。

ちょうど先日、(もう子どもではなくなりつつある)我が子たちと、子どもの頃の記憶の話題になりました。 友達と虫取りをした原っぱの草の匂い、海で捕まえた魚の目、電気のない山での目を開けても閉じても変わらない暗闇、釣り堀で食べたカップヌードルの味、三輪車で急坂を下るときに足でブレーキをかけすぎて靴底に穴が開いた長ぐつ・・・などなど。

楽しかったこと、ドキドキしたこと、しかも五感に訴えられた記憶が多いことに気づきました。
やっぱり、子どもは実際に体験したこと、感じたことが記憶に残るのかもしれません。

また、息子は言いました。「こうしてみると、子どもの頃の思い出って、ポイントポイントでおさえておけば、うまくだまされちゃうんだな(笑)」
いやはや・・・決してあなたたちをだますつもりはなかったのよ・・・と冷や汗をかきながらも、しかし息子よ、君は良いところに気がついた。
確かに、子育ては、ポイントだ!・・・と再認識した私でした。

もちろん、記憶のない赤ちゃんの頃のことも、実は子どもの心と身体に深~く刻まれているのです。
ここぞというところは、子どもと一緒に笑ったり泣いたり怒ったり、全力で過ごしちゃいましょう。
覚えていてもいなくても、あとで笑って話せるような大切な思い出の時間になるとステキですよね。



チャイルドケア アドバイザー さいとうなおこ

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